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05/03/2023

時代考証学会第16回サロン 「戦争を描いた時代劇メディアと歴史学」 -『スペシャルドラマ 坂の上の雲』の検証-

「戦争を描いた時代劇メディアと歴史学」 -『スペシャルドラマ 坂の上の雲』の検証-

報告者

山田 朗(明治大学文学部教授、時代考証学会評議員)

時代劇メディアを制作する際、戦争をどのように描くかについては舞台となる時代を問わず常に大きな問題となります。国内の戦闘が大半である鎌倉時代や戦国時代に留まらず、外国との戦闘が主となる近現代の戦争ともなると、それを描くために実に様々な要素を検討しなければならず、大変に難しい配慮や段取りが求められる事になります。しかし、この事から目を背けていては、戦争が今よりもずっと身近だった時代の人びとの暮らしや生き方を描くことにリアリティを持たせることが難しくなるのも事実でしょう。では、近現代史をテーマとする時代劇メディアは、「戦争」をどのように描いてきたのでしょうか。

報告いただく山田朗さんは、日本近現代史、特に軍事史や天皇の軍事指導などについて幅広く研究をされてきました。また、戦後の歴史認識や戦争観に関する言及も多く、『これだけは知っておきたい日露戦争の真実 日本陸海軍の〈成功〉と〈失敗〉』(高文研、2010年)などでは、司馬遼太郎作の「坂の上の雲」における軍事描写について、小説版・ドラマ版の相違なども含めて検証されています。今回のサロンでは、2000年代以降、飛躍的に向上した映像技術を背景に、戦争の描写が“リアルに再現”されたことも話題となったNHKによるドラマ版「坂の上の雲」(全三部作、2009~2011年)の諸描写を手掛かりに、ドラマとして何を描き、何を描かなかった(描けなかった)のかを山田さんに改めて検証してもらうことで、当時の描き方の特筆すべき点や問題点を明らかにしつつ、戦争とその時代を描くことや視聴することの重要さについて皆様と議論できればと思います。

※多くの方にご参加いただきました。ありがとうございました。

日 時:2023年3月5日(日)14:00〜(13:30入室受付開始)
会 場::明治大学駿河台キャンパス グローバルフロント3階 4031教室
(http://www.meiji.ac.jp/koho/campus_guide/suruga/campus.html)
アクセス:
■JR中央線・総武線、東京メトロ丸ノ内線/御茶ノ水駅 下車徒歩約3分
■東京メトロ千代田線/新御茶ノ水駅 下車徒歩約5分
■都営地下鉄三田線・新宿線、東京メトロ半蔵門線/神保町駅 下車徒歩約5分
資料代 200円

追記:本サロンに関連する論考が『明治・大正・昭和の時代劇メディアと時代考証』に収録されています。

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